以前、猫のてんかんについてにご紹介しました。
もしかしたら「猫もてんかんになるの? うちの子は大丈夫?」なんて不安に感じた飼い主さんがいるかもしれません。
今回はてんかんになると実際どのようなことが起きるのか、てんかんに前兆はあるのかなど、予備知識を学びたいと思います。
てんかんは脳がショートして起こる反復発作
てんかんとは、脳の機能がショートして、体のコントロールが効かない状態を指します。
ポイントは、この状態を「不定期に繰り返す」こと。
てんかんに似た発作を起こしても、それが1回きりであれば、それはてんかんとはいいません。
てんかん発作では、意識昏倒・全身の硬直・痙攣・失禁・泡を吹く等、多様な症状がみられます。
ほとんどの発作は数分でおさまりますが、10分経過してもおさまらなかったり、おさまってもすぐに発作を起こす場合は命の危険があります。
そんな時は大至急動物病院へ連れて行ってください。
てんかんの前兆
てんかんの前兆は「いつもと違う行動をみせる」こと。 猫が急に落ち着きをなくし、舌なめずりをしたり、ゆっくりと咀嚼を繰り返したり。
飼い猫のことを誰よりも知る飼い主だからこそ気が付ける異変です。
ただ、猫の場合、この前兆行動は短く終わりがちなので、見逃したとしてもそれはしかたがありません。
もし、運よく前兆に気付いたら、猫の発作に対する心の準備をしましょう。 飼い主がうろたえないことが何よりも大切です。
てんかんと間違えやすい発作
反応性発作
てんかんと誤認しやすい発作に「反応性発作」があります。
症状はてんかんと似ているものの、原因は低血糖症や腎臓疾患、毒物による急性中毒などが理由です。
この発作はてんかんと違い、繰り返し発生するものではありません。 基礎疾患さえ取り除けば発作はおさまります。
ナルコレプシー
もうひとつは「ナルコレプシー」です。 なんの前触れもなく突然入眠状態に陥る病気で、ある瞬間にストンと倒れて眠ってしまいます。
てんかんのような硬直や痙攣がなく、逆に全身脱力状態になるのが特徴です。 目を閉じて入眠するナルコレプシーに対し、意識があり目も開いているのに脱力状態に陥ることをカタプレキシーといいます。
カタプレキシーもてんかんと誤認しやすいひとつです。 どちらも原因として遺伝や神経系の不具合などいろいろな理由が考えられていますが、現状では発生に至るメカニズムは不明です。
てんかん予防にストレスフリーを
原因がなんであれ、ストレスは動物の脳に多大な負担を与えます。
そのため、ストレスが加わるとてんかんが起こりやすくなるといわれています。
特に神経質な猫は、大きな音や来客など怖いものがたくさんあります。 普段からストレスフリーな生活を心がけて、てんかんのトリガーを引かないようにしてあげましょう。
まとめ
飼い猫がてんかんの発作を起こせば、私たち飼い主は当然パニックになりますよね。
でも、上でも述べたように、それは厳密にはてんかんではないかもしれません。
猫がケガをしないように身の安全を確保した後は、発作が起きたときの状況、発作がおさまるまでの時間、完全に回復するまでの様子など、できる限りの詳細をメモしておいてください。可能であれば動画の撮影もおすすめします。
そして、動物病院を受診して、それらの情報を獣医さんに伝えましょう。 その情報は、診断や治療方針を決める際の大きな助けになるはずです。