猫の口元の腫れ 原因アレコレ
飼い猫の唇に見つけた、ポチっとした赤い腫れ。
一見するとニキビのようにも血豆のようにも、おできのようにも見えます。
猫自身は特に気にしていないようですが、これはいったい何なのでしょう?
気になる謎の腫れについてみていきましょう。
細菌感染が原因の「口唇炎」
原因はいくつかありますが、中でも多いのが口唇炎による唇の腫れです。
口唇炎は細菌感染が原因で唇に炎症が起きる病気で、口内炎と併発することが多いとされています。
どんな猫でも口唇炎にかかる可能性があり、特に老猫や体力が落ちている猫など、抵抗力が弱っているとかかりやすいようです。
治療には抗生物質の投与と患部の消毒のほか、ビタミン剤を投与して抵抗力を高めることもあります。
ありがちな病気とはいっても、唇の炎症が悪化すると食事が困難になるので、なるべく早く治療を開始してあげましょう。
原因はまだまだ不明「好酸球性肉芽腫」
好酸球性肉芽腫は3つのタイプに分けられますが、唇周辺の腫れであれば「無痛性潰瘍」があてはまります。
無痛性潰瘍には硬い腫れ……つまり潰瘍が上唇、まれに下唇にもみられます。
腫れ方は唇の片側だけだったり両側だけだったりと不規則で、腫れが悪化すると唇が裂けてしまうことも。
この病気の原因はいまだ不明ですが、どうやら根底にはアレルギーがあるのでは、と考えられているようです。
治療にはレーザー療法やステロイドの投与、アレルゲン除去に対症療法などを用います。
「無痛性」という割に強い痛みを伴うこともあるので、猫のためにも一刻も早く治療を開始してください。
よくあるアレルギー反応の可能性も
最近猫の食器を変えたり、新しいオモチャを与えたりしませんでしたか?
猫がアレルギー体質の場合、特定の物質に接触することでアレルギー反応を起こすことがあります。
大抵は腫れてもそのとき限りのことで、時間が経てば治まることがほとんどです。
「たしかに昨日新しいオモチャを買った!」「そういえばこの子はプラスチックに弱かったはず……」なんて心当たりがあれば、その素材に接触しないように環境を整えてみてください。
また、アレルギー反応以外に、虫刺されやちょっとしたキズが原因で赤く腫れている可能性もあります。
いずれにしろ、いつまでも腫れが引かなかったり、猫が痛みや違和感を感じて食事が辛そうであれば、きちんと動物病院で診察してもらいましょう。
最後に
猫の唇が腫れる原因はさまざまですが、見極めるのは大変です。
口内炎を併発しているか、口臭はするか、化膿したような臭いはしないかなどポイントはあるようですが、結局のところ素人判断ではどうにもなりません。
少しでも気になることがあるなら、そこは素直に動物のプロに任せましょうね。