野生の動物の映像で、母親が子どもの首根っこを咥えて移動している姿を見たことがあると思います。
また、しつけの際、大人しくさせたい際などに人間が首を掴んで持ち上げる事もあります。
見ていると痛そうに見えますが、犬はどう感じているのでしょうか?
親犬はなぜ首をつかむ?
人間の親が子どもを運ぶ時は抱きかかえて運びますが、犬は人間のように赤ちゃんを抱きかかえる事はできません。
抱きかかえる代わりに、首の後ろを咥えて運びます。
これは犬以外の哺乳類にも見られる行動で、咥えられている赤ちゃんは痛がる事なく、また暴れる事もありません。
人間の赤ちゃんが抱っこされると大人しくなる事と同じで、これを「輸送反応」と呼びます。
子犬は親犬に咥えられる事で安心し、リラックスする事ができます。
大人しく運ばれる事で敵からもスムーズに逃げられ、結果的にそれが子育てのサポートや種の保存に繋がるのです。
人間が掴んでも大丈夫?
成犬より子犬の方が皮が柔らかく痛みも感じないため、子犬の頃は掴んで運んでも問題はありません。
しかし、強く掴んだり無理に引っ張るとケガをしてしまいます。
首だけで支える事はなるべく避け、抱っこをして運んであげるようにしましょう。
成犬になると体も大きくなり筋肉も付くため、首の皮で体の重さを支えると犬は苦しくなってしまいます。
極力他の方法で落ち着かせるようにしましょう。
しかし、災害時など咄嗟に犬を捕まえて固定しなければならない時は腕や足を引っ張るより首の皮を掴む方が安全です。
緊急時の対応として利用しましょう。
しつけとして首をつかむ
しつけの一環として首を掴んで持ち上げる場合があります。
これは一時的に首が締まり犬が苦しい体勢になるという事が犬にとっての罰になります。
しつけを行う上で、褒めて教えるか叱って教えるかはとても重要です。
どちらもトレーニングとして有効ではありますが、飼い主さんも出来れば叱らずに育ててあげたいですよね。
首が締まってしまうほどの罰を与えなくてもしつけを行う事は十分に可能です。
失敗を責めるのではなく成功した時に思いっきり褒めてあげるしつけを行う事で、犬も飼い主さんも楽しい気持ちでトレーニングができるのではないでしょうか。
まとめ
親犬が子犬の首をつかむという行為は親子関係を築く上でとても重要であるという事がわかりました。
しかし、人間がむやみに犬の首をつかむという行為は体罰にもなりかねません。
時と場合を考えた接し方を心がける事が愛犬との信頼関係に繋がります。