今までは何も異常はなかった猫が、あるとき後ろ足を引きずっていたり、痙攣を起こしていたり……。
もしかして怪我でもしたのか、それとも何か病気?なんて気が気ではありません。
今日は猫の後ろ足にみられる症状と、その原因についてご紹介します。
足を振るだけならよくあること
寝起きの猫が、痺れた足を元に戻すために後ろ足をぷるぷる振っている。
思いがけず水に塗れてしまったので、足をぷるぷる振って水を飛ばしている。
……などなど、猫が足を振る姿を見たことがある人は多いかと思います。
このように、理由がなんであれ猫が足を振るのはよく見られる行動で、珍しくはありません。
けれど、猫の意思とは関係なく後ろ足が痙攣したり、麻痺して引きずっているなら、そこには病気や怪我が隠れている可能性があります。
考えられる原因
よく起こりうるのがビタミンの過不足からくる痙攣です。
特に猫はビタミンB1不足が悩みの種で、食事の栄養バランスが悪いと、あっというまにビタミンB欠乏症に陥ります。
逆にいえば、ビタミン剤を投与してもらうなど早々に治療を受けた上で、日常生活でもきちんとビタミンを摂取できる食生活を心がければ改善するでしょう。
他にも、痙攣の原因として後ろ足付近に腫瘍があったり、靭帯が伸びている、関節系の疾患があるなどの可能性も考えられます。
ビタミンさえ補給すれば大丈夫と軽く考えてはいけませんよ。
痙攣はしないものの後ろ足を引きずっているときは、脳や心臓に重大な疾患を抱えている場合があります。
例えば、肥大型心筋症は年齢に関係なく猫がかかる心臓疾患で、体の先端部分から麻痺が始まります。
症状が進行すると、のた打ち回るほどの激痛が猫を襲います。
「後ろ足が麻痺したかと思えば次の日には治っている」「後ろ足の肉球の色だけ白っぽい」というような症状があるなら、この病気を疑いましょう。
肥大型心筋症は致死率の高い恐ろしい病気ですので、早期発見・治療がカギになります。
至急動物病院へ猫を連れて行ってください。
診察時のポイント
猫の後ろ足に異常を見つけたら、なるべく早いうちに動物病院へ向かいましょう。
受診した結果が「異常なし」であればそれに越したことはありません。
時間とお金を使って心の平穏を買ったと思えばいいんです。
ただし、せっかく動物病院で受診しても、「患部は後ろ足だから」と足のレントゲン検査だけで終えては意味がありません。
先に述べたように、心臓や脳など、原因は足以外にある可能性があります。
時間もお金も大変ですが、獣医師にお願いして血液検査も含め猫の全身をくまなく検査してもらってください。
また、猫の後ろ足が痙攣や麻痺を起こしたときには、ぜひその様子を動画で撮影するをおすすめします。
診断の際、獣医師にその動画を見せることが大きな手助けとなりますよ。
まとめ
運動神経の優れている猫なので、高いところからジャンプし損ねて足を痛めるというようなことはそうありません。
また、家猫であれば喧嘩をする機会も少ないので、後ろ足の異常の原因が外傷という可能性も低いでしょう。
それを考えると、飼い猫が命にかかわるような大病を患っているのではないかと、飼い主としては戦々恐々ですよね。
でも、飼い主の不安をあざ笑うが如く「肉球のあいだに小石が詰まってただけですよ」なんてオチが付く可能性もなきにしもあらず。
笑い話になることを願いつつ、動物病院へ向かうフットワークはいつでも軽くしておきましょうね。