猫に生の豚肉を食べさせてはいけない理由 怖い寄生虫の実態とは
猫に与えてはいけないとされている食べ物のひとつ、「生の豚肉」。
生の豚肉の何が猫にとって害となるのか、食べてしまったらどうなるのか。気になる点をまとめてみました。
猫に寄生する寄生虫「トキソプラズマ」
猫が生の豚肉を食べると、トキソプラズマに感染する恐れがあります。
トキソプラズマは猫を介してのみ有性生殖を行う……つまり猫大好き!な寄生虫です。
とはいえ、猫がトキソプラズマに感染しても健康な成猫であればほとんど害はありません。
異常が出てもせいぜい一時的な下痢や風邪のような症状で終わるので、トキソプラズマに感染していても一生気付かないこともあります。
ただし、子猫や抵抗力の弱い猫が感染すると重篤化しやすく、命を落とすこともあるので油断は禁物です。
猫が生の豚肉を食べちゃったら?
ちょっと目を離したすきに飼い猫が生肉を盗み食いしてしまった!なんてこと、ありそうですよね。
そんなときは、猫が下痢や嘔吐など何らかの異常を起こさないかしばらく見守りましょう。
異常がなければよし。もし下痢などの症状が出ても一時的で済めばそれもよし。
もし、症状が続くようなら動物病院へ。寄生虫うんぬん以前に、症状をおさえるための治療が必要です。
トキソプラズマにとって猫は貴重な宿主なので、宿主の命を積極的に奪うことはありません。
注意すべきなのは前述のとおり、子猫や免疫力の低下している猫です。 健康な成猫が生の豚肉を食べても慌てる必要はないので安心してください。
人間がトキソプラズマに感染すると?
トキソプラズマは猫を介して人間にも感染しますが、やはり多くが無症状かつ無自覚で終わります。
ただし、妊娠中の女性は注意が必要です。
確率は低いながらも、妊娠中に初めてトキソプラズマに感染すると流産や死産を招く恐れがあります。 「妊婦は猫を飼うな」といわれる所以はここにあるんですね。
しかしながら、猫から妊婦へ感染した例はごくわずか。
むしろガーデニングや食事など、猫以外が感染経路になる可能性の方が高いくらいです。
せいぜい「猫の糞便に触れない」「野良猫にかかわらない」「妊娠中は新しい猫を飼わない」という3点に注意すればいいでしょう。
妊娠中だからといってむやみに猫を邪険に扱わないでくださいね。

By: Tatsuo Yamashita
最後に
健康な人間がトキソプラズマに感染してもダメージはほぼありません…
ですが、実はトキソプラズマは、人間の性格を猫好きに変質させるといわれています。
それはトキソプラズマが人間の脳をコントロールし、あらたな宿主(猫)に接触させるためだというのです。
この説が真実であれば、無自覚なだけで私もしっかり感染しているのかもしれない、なんて考えがチラリ。
真偽のほどをトキソプラズマに聞けないのが残念です。