猫のエリザベスカラー 寝るときに外すのはNG!?
皮膚病や外傷の治療、術後などに猫に装着するエリザベスカラー。
これがなかなかの難物で、装着したときの猫のいやがりようといったら……。
それに、エリザベスカラーをつけたままだと猫だって寝にくいしご飯だって食べづらい。
何かいい手はないのでしょうか?
エリザベスカラーが傷を保護する
エリザベスカラーは、猫が患部を舐めたり縫合糸を噛んだりしないようにという目的で装着します。
しかし、エリザベスカラーの半円錐形は、猫からすればとにかく「邪魔!」の一言に尽きるでしょう。
すぐに慣れるとはいっても、寝るときや食事のときはさすがにつらそう……。
獣医さんからは付けておくようにと指示されたけど、ほんの少しの時間でも外しちゃダメかななんて飼い主が考えてしまうのも当然です。
基本的には外しちゃダメ!
獣医師が「付けておくように」と指示を出したのであれば、エリザベスカラーは外してはいけません。
稀にエリザベスカラーは不要とする獣医師もいますが、それはエリザベスカラーを装着しなくても患部に影響がないと判断されたからなんです。
「不要」と判断されない限り、やはりエリザベスカラーはきちんと装着するべきです。
患部を舐めさせない、触れさせないということが治療のための近道。
猫には可哀そうですが、エリザベスカラーが猫の身を守っていると考えてください。
寝るときや食事はどうしたらいい?
たとえ寝るとでも食事のときでもエリザベスカラーは着けておきましょう。
最初のうちはストレスでイライラしている猫ですが、彼らは順応性が高い動物。
装着から2~3日もすればエリザベスカラーのある生活に慣れていきます。
とはいっても、猫が少しでも楽になる手段を探してしまうのも飼い主心ですよね。
対策としては次のようなものがあります。
ソフトタイプのエリザベスカラーを使う
柔らかい素材を使用したエリザベスカラーを使えば、傷にダメージがない程度に自由がききます。
睡眠や食事でも、固いプラスチックタイプのエリザベスカラーよりはずっと楽になるでしょう。
食事や水は少し高い位置に用意する
エリザベスカラーは半円錐形なので、食事をしたくてもエサの入った皿が遠くなってしまうことがあります。
そんなときはエサの皿をいつもより高い位置に用意してあげましょう。
服を着せて傷を保護する
患部・傷口を舐めさせないことが目的なので、エリザベスカラーではなく服を着させる方法も有効です。
ただ、服の上からでも傷を舐めるとバイ菌は侵入します。
あまりにも傷口をしつこく舐めたりいじるようであれば、やはりエリザベスカラーに戻すしかありません。
どうしても外したい場合
あまりおすすめはできませんが、「傷口を舐めない」という約束を守れるのであれば、飼い主が目を離さない状況に限りエリザベスカラーを外してもいいでしょう。
ただし、猫が傷を舐めようとしたらすぐに止めてください。
また、猫から目を離す場合は必ずエリザベスカラーを付け直してくださいね。
最後に
エリザベスカラーの語源をご存知ですか?
16世紀のイギリス、エリザベス朝時代に使われていた扇形の襟のことで、王侯貴族などの富裕層のあいだで流行し……なんて、猫からすればどうでもいいことですね。
「オシャレなんかどうでもいいからこれを外せニャー!!」とお怒りモードなお猫サマをなだめながら、一日でも早く傷が癒えることを願いましょう。