本来、犬の鼻水は無色透明が正常な状態です。
しかし、何らかの原因により黄色いネバネバとした鼻水が出てしまう場合があります。
愛犬の鼻からそのような鼻水が出たらびっくりしますし、心配ですよね。
今回は、黄色い鼻水が出る原因についてまとめました。
黄色い鼻水の正体は?
鼻水が黄色く変色しているのは、透明な鼻水に膿が混じっているためです。
時に緑色にも見える場合があります。
膿が出るという事は、鼻の中やその周辺で何らかの異常が起きているという事です。
初期症状で透明な鼻水が出ている時にその症状に気付かず、悪化して膿が出てきたという場合が多いでしょう。
素人判断はせず、早急に動物病院へ連れて行く必要があります。
考えられる原因
副鼻腔炎と蓄膿
鼻炎で鼻の中に炎症が起こっている状態が続くと、炎症の範囲が鼻腔内部(副鼻腔)まで広がってしまいます。
この症状を副鼻腔炎といいます。
軽い鼻炎であれば透明でサラサラとした鼻水が出ますが、黄色い粘り気のある鼻水が出始めたら副鼻腔炎を起こしている可能性があります。
そして、副鼻腔炎が更に悪化し膿が溜まった状態を蓄膿症と呼びます。
粘膜の腫れもひどくなり、目が圧迫され結膜炎を発症する場合もあります。
副鼻腔炎や蓄膿症は手術で膿を取り出すなど、とても大変な手間がかかり犬への負担も大きくなります。
鼻炎が慢性化する前に早めに治療を始めましょう。
腫瘍
シェットランド・シープドッグなどの長頭種に多く見られる、鼻の中に腫瘍ができる病気です。
良性・悪性の場合がありますが、いずれも鼻水の量が増え、黄色いドロッとした鼻水や場合によっては血が混じることもあります。
鼻の中は人間の目で確認することが出来ないため、気付かない間に悪化してしまう場合が多い、怖い病気です。
腫瘍により目や頬が腫れ、違和感で鼻を掻いたりこすりつける仕草を見せる事もあります。
こちらもやはり早期発見が何より大切ですので、鼻水の色や顔の腫れ、また痛がっていないかなど日頃から注意しておきましょう。
ウイルス性疾患
ケンネルコフや、犬ジステンパーなどのウイルス性の病気でも鼻水が出ます。
いずれも初期はサラサラとした鼻水が出ますが、悪化すると黄色くにごったネバネバの鼻水になります。
他の犬にもうつってしまう危険性がありますので、多頭飼いの場合は家庭内で蔓延してしまう可能性があります。
ケンネルコフは鼻水と同時期に咳や発熱、嘔吐といった風邪の症状が見られますので、早めに病院へ行きましょう。
特に注意が必要なのは犬ジステンパーで、有効な治療法が見つかっていないため、一度発症すると完治するのが非常に難しい病気です。
ワクチン接種前の子犬や免疫力の弱い高齢犬がかかりやすく、こちらも初期症状は風邪に近い症状です。
混合ワクチンの摂取で予防が可能ですので、健康な成犬であっても数年に一回はワクチン接種を行うことをお勧めします。

By: Oliver Ruhm
まとめ
鼻水の症状がある病気の中でも、黄色い鼻水が出る場合は重症化している場合が多いようです。
重症化する前に対処ができるよう、愛犬の体調管理や健康チェックを欠かさず行うようにしましょう。