犬と猫の違い 基本の基本をチェック!
現代社会において愛玩動物、いわゆるペットとしての地位を確立している犬と猫。
そもそも彼らはいつ・どのようにして人間と接点を持ち、また飼われるようになったのでしょうか。
歴史的な観点を含めつつ犬と猫の違いについてご紹介します。
犬は人間の最古のパートナー
犬は家畜としての歴史が長い動物で、そのルーツはオオカミにあるとされています。
オオカミは群れで行動する社会性が高い動物です。人間が獲物の残骸を捨てると、それをオオカミがエサとして後始末をするという一連の流れが、両者の「餌付け」「共生関係」を育んだと言われています。それがいずれ、人類にとってかけがえのないパートナーにまでなりました。
旧石器時代の北イスラエルの遺跡(アイン・マラッハ遺跡・ハヨニム洞窟遺跡)からは、人骨とともに犬の骨が発掘されています。
また、日本では、縄文時代に犬との共生が始まっていたと考えられています。それほどに古い時代から、犬と人類は絆を深め合っていたのです。
猫と人間の不思議な関係
猫のルーツは、13万1千年ほど前に砂漠に生息していたリビアヤマネコだと言われています。
猫と人間の関わりについては、9,500年ほど前のキプロス島の遺跡(シルロカンボス遺跡)から、人骨とともに発掘された猫の骨が最古のデータです。
一方、日本では弥生時代の遺跡(長崎県壱岐市:カラカミ遺跡)から猫の骨が見つかっています。犬と比べて時代は遅れるものの、古くから日本人と共生していたのは間違いありません。
そんな猫ですが、時代によってこれほど評価の変わる動物も珍しいのではないのでしょうか。例えば、古代エジプトでは神として崇められ、中世ヨーロッパでは魔女の使いとして迫害された歴史は有名ですよね。
猫の持つミステリアスな魅力が、人間にも影響を及ぼしていたようです。
犬と猫の食事の違い
犬と猫はどちらも肉食ですが、肉食の傾向がより強いのはどちらかご存知ですか?
実は、猫の方がより肉食の傾向が強く、また味覚が鋭い動物です。ですからドッグフードよりキャットフードのほうがおいしく作られるのが一般的。 猫はグルメなんですね。
また、犬と猫では必要な栄養素が異なります。たとえば猫は、タウリンという栄養素を体内で作ることができないため、キャットフードでタウリンを摂取します。一方の犬はタウリンを体内で作ることができるので、ドッグフードにタウリンは含まれていません。
とはいえ、多頭飼いのご家庭で「猫が犬のご飯を盗み食いしちゃった!」(またはその逆)となっても、それが日常的でなければ問題はないのでご安心ください。普段きちんと、それぞれに適した食事を与えていれば大丈夫ですよ。
猫より犬のほうが種類が多いってホント?
団体によって、登録数が異なるため正式な数字は一概には言えません。
ただ、非公認を含めると猫が300種類に対し、犬は700~800種類を超えると言われています。なぜこんなに犬の種類が多いのでしょうか。
前に述べたように、猫よりも犬のほうが人間との付き合いの歴史は古く、猟犬・番犬・牧羊犬など、目的に応じた品種改良が活発に行われてきました。
一方で猫は「ネズミを狩る」というように目的が限定的だったため、犬に比べそれほど品種改良が行われなかったためです。
最後に
こうして比べると違いの多い犬と猫ですが、実は共通の祖先はミアキスという小型動物なんです。
ミアキスはイタチに似た姿だと推測されていて、骨盤の形は犬に、自由に引っ込めることのできる爪は猫に受け継がれています。
ミアキスが子孫を残してくれたおかげで、今の犬と猫が存在すると思うと、何やら感慨深いものがありますね。