飼い犬にお留守番を任せられる時間はどのくらい?
普段、仕事や用事で愛犬を家でお留守番させなければならない事も多いと思います。
一緒に連れて行ってあげたい気持ちはあっても、日本ではまだまだ犬を連れて行ける施設が少ないのが現状です。
犬はお留守番をどのくらい我慢できるのか、またどのような影響があるのかをまとめました。
ストレスを感じている?
犬は基本的にひとりで過ごす事が苦手です。
これには諸説ありますが、犬の先祖であるオオカミが群れで生活をする生き物であるためと言われています。
しかし、それは生まれ持った犬の性質で、実際のところはその犬の性格や家庭環境、飼い方次第で大きく変わります。
もちろん信頼関係を築く事は大切ですが、いきすぎた関係性は逆効果です。
飼い主さんに依存してしまっている犬は、離れると問題行動を起こす「分離不安症」を引き起こしてしまうのです。
分離不安症とは
分離不安症とは字の通り、飼い主さんと離れると不安で耐えられず、かまって欲しい気持ちから様々な問題行動を起こしてしまう症状の事を言います。
分離不安症にかかりやすい傾向として、子犬の頃の社会化不足や飼い主さんと密着して過ごしたがる犬に多く見られます。
具体的には、飼い主さんの留守中だけ吠え続けたり、トイレを失敗してしまったりといつも出来ていた事がお留守番の間だけできなくなってしまいます。
部屋の中を破壊したり、自分自身の毛を噛みちぎるといった自傷行為も分離不安によるストレスと考えられています。
また、飼い主さん側の配慮が逆効果になってしまう事もあります。
たとえば、出掛ける時に愛犬へ「行ってくるね〜」などと声をかけていませんか?
これは分離不安症の犬にとって、飼い主さんがいなくなってしまう前に毎回聞かされる嫌な言葉であり、余計に不安を倍増させてしまいます。
あえて構わない時間を作ったり、出掛ける時に声をかけないようにしたり、適度な距離を保つ事が逆に分離不安症の改善に効果的と言われています。
何時間なら大丈夫?
お留守番の経験がない犬をいきなり長時間ひとりにすると分離不安症の引き金となりますので、まずは数時間から始めましょう。
また、可能であれば子犬の時から犬をひとりにする時間を少しずつ作るようにしましょう。
飼い主さんは出掛けても必ず帰ってくると時間をかけて犬に学習させるためです。
こういった子犬の時からの対処が、ゆくゆくお留守番が得意になる秘訣であり分離不安症の抑制にもなります。
しかし、このような訓練でいくらお留守番に慣れるとはいえ、寂しい気持ちはもちろんゼロではありません。
なるべく長時間ひとりにしないよう、まっすぐ帰宅してあげてください。
まとめ
「うちの犬は普段あまりベタベタしてこないし、ひとりにしても寂しくないだろう」と思っている方は間違いです。
普段からベッタリくっついていなくても、家の中に人がいる事で犬はひとりでも安心していられるのです。
ベタベタする犬、淡白な犬、個性は色々ですがひとりの方がいいと感じている家庭犬なんてきっといません。
愛犬をひとりぼっちにする時間をできるだけ減らしてあげて下さい。
成犬は人間の年で1年に約4歳ほど年を取ると言われています。
人間にとってはたった1時間のお留守番でも、犬に置き換えるとそれは一生の4時間分です。
大切な愛犬が寂しい思いをする時間を少しでも減らしてあげましょう。