犬が虐待されているのを知った時、どのように行動するべき?
近年のペットブームにより、動物を飼う家がどんどん増加しています。
たくさんの家で、たくさんの動物が幸せになれるのであればこんなに嬉しい事はありません。
しかし、家族が増える分飼い主さんにかかる負担も増えます。
その負担を想定せず知識がないままに動物を飼育した事により、その結果手に負えないからと虐待に走るケースが増えているのも事実です。
もしも、虐待されている犬を見つけた場合、私たちは何をするべきなのでしょうか。
虐待とはどのような行為か
殴る、蹴るなどの暴力行為
動物に対して、怪我を負わせるほどの力で暴力をふるう事は虐待行為になります。
素手で殴る、蹴る以外にも、物を使って殴る、毛を引っ張り引きずり回す、熱湯をかけるなどの行為も虐待にあたります。
飼育者はこれを虐待ではなくしつけだと思い込んでいる場合もあり、犬が怯えて固まっていると「命令を聞かないダメ犬」と更に暴行はエスカレートしていきます。
このような虐待を受けた犬は人間不信に陥り、他の人間や動物に対しても恐怖心、警戒心を強く表します。
また、飼育者も攻撃的であると推測されるため、助けたくてもなかなか手が出せずに虐待が悪化してしまう場合があります。
飼育放棄(ネグレクト)
暴力などの危害を加えなくとも、飼育者が食事、排泄処理など必要最低限の世話も怠る事も虐待にあたります。
適切な質、量の食事を与えず不健康な状態にさせる事、掃除をしていないケージに閉じ込める、シャンプーなど必要な手入れをしないといった不衛生な環境で飼育する事は暴力に等しい行為です。
悲しい事に飼育者はこれを虐待と感じておらず、餌さえ与えれば犬は放っておいても育つと思っている場合も多いのです。
また、病気を患っている可能性がある動物に適切な治療を施さない事もネグレクトにあたります。
飼育放棄の末捨てられる犬も多く、中にはなんと面倒が見られないと保健所へ殺処分を依頼する飼育者もいるのです。
虐待されている犬を発見したら
虐待行為は「動物の愛護及び管理に関する法律」で定められている通り、立派な犯罪行為です。
もしも街中で虐待の現場を見かけたら、すぐに警察へ通報しましょう。
また、近所で飼われているペットが虐待を受けているかも?と感じた場合でも絶対に警察へ相談して下さい。
動物虐待から人に対する犯罪へと移行する可能性もあります。
すぐには動いてくれない場合もありますが、耳に入れておく事でいざという時に早急な対処ができるでしょう。
また、警察よりこちらの意図が伝わりやすく、動物の心のケアや里親探しに強いのは保護団体です。
さまざまな保護団体がありますので、親身になってくれる団体を探しましょう。
しかし、ペットを保護するには飼育者の許可が必要となるため、民間の保護団体では太刀打ち出来ない事もあります。
暴力による罵声や不衛生による悪臭など、地域の生活環境の悪化にも繋がる行為ですので役所などに相談する事もお勧めです。
一人でなんとかしようとせず、周囲と相談して適切な方法を考えましょう。
まとめ
動物は言葉が話せないため、それを良い事に人間のサンドバッグのように扱われてしまうのかもしれません。
しかし、動物にもちゃんと心があり、虐待によって受けた心の傷が癒えるには相当の時間と周りの人々の努力が必要となります。
虐待は絶対に許される事ではありません。
ペットを飼うという事はその動物の一生を背負うという事を絶対に忘れてはいけません。