猫よけに効果アリ!? 水を入れたペットボトルのホントのところ
「玄関や庭先に置いてある水を入れたペットボトル」と聞けば、みなさんもすぐにその光景が目に浮かぶかと思います。
誰もが知る、有名な猫よけ対策のひとつです。 最近はめっきり減りましたが、今でもたまに見かけることがあります。
それにしてもあのペットボトル、本当に猫よけとして効果的だったんでしょうか?
効果があるにしても、なぜ水を入れたペットボトルなの?
そんな素朴な疑問についてまとめてみました。
猫が怯える「乱反射」
猫はペットボトルそのものには恐怖心を抱きません。 猫が怖がるのは、水に太陽が反射することで起こる乱反射の光の方です。
この猫の習性が「猫よけに使える!」ということで、水を入れたペットボトルを家の周囲に置くことが流行りました。
ですが… ご存知の方も多いかと思いますが、この方法、実は全く効果がありません。
それどころかデメリットの方が大きいため、このペットボトルを使う猫よけはすっかり廃れてしまいました。
ペットボトルを置くことのデメリット
水を入れたペットボトルと太陽光というシチュエーションって、何か思い出しませんか?
小学校で理科が得意だった人はピンとくるかもしれません。そう、虫眼鏡で太陽光を集めて火を起こす、収れん作用の実験です。
あの実験と同じように、水を入れたペットボトルが虫眼鏡の役割をして、火災を起こす危険性があります。その可能性は低いとはいえ、過去に事例がある以上無視はできません。
ペットボトルの「収れん」による火災事例について
100%効果的な猫よけの方法はない
猫よけの手段としてメジャーなのは次の3つでしょう。
- 酢や柑橘類など猫が嫌う臭いをまく
- トゲシートを置く
- 「キャットガード」「ガーデンバリア」などのグッズを設置する
ですが、どれも必ず効果があるとはいえず、やはり猫が慣れてしまうことが多いようです。
他には、猫が侵入できないくらいの高さまでネットを張り巡らせる方法がありますが、現実的ではありません。また、センサーが反応すると自動的に水を撒く装置を設置する手段もあります。
猫は水が大嫌いなので実現できれば効果的ですが、センサーが反応する以上、人間にも容赦なく水をかけてくるのが難点です……。
最後に
以前、家を囲むようにズラーッと大量のペットボトルを並べている一軒家を見たことがあります。そのときは「景観を犠牲にするほど猫に悩んでるんだな」くらいの感想しかありませんでした。
しかし、今考えると、わずかながらでも火事を招きかねない危険な状況だったんですね。
正しい知識を持つことは、自分だけでなく周囲の人の安全を守ることになる。そう実感させられた今回のテーマでした。