猫が春に鳴く理由 そこにはご先祖様ゆずりの知恵があった!
肌を刺す空気がやわらぎ桜がほころぶ季節を迎えると、あちらこちらで猫の鳴き声が聞こえるようになります。
その騒々しさは、猫好きですら苦笑いするほど。
猫に興味がない人であれば、なおさらうるさいと感じることでしょう。
今回は「なんで猫って春になると騒ぐの?」なんて素朴な疑問をお持ちの皆様に、その答えをご紹介します。
春は恋の季節
猫は交尾のできるタイミングが限られており、メス猫は2~4月にかけて繁殖のピークを迎えます。
特に春は日照時間が長く暖かくなり、餌が豊富になる季節。
そんな環境は妊娠・出産に適し、動物が繁殖するには絶好の機会です。
これは猫に限らずほとんどの動物にあてはまります。
人間と違って食料を自分でコントロールできない動物たちは、餌が豊富な春や秋に繁殖するようにできているからです。
野良とは食料事情が違う家猫でも、例外はあるもののほとんどが春に発情期を迎えます。 遠いご先祖様から遺伝子レベルで受け継がれた子孫繁栄のためのコツというところでしょうか。
鳴き声はメスからの恋のサイン
繁殖期なのはわかるけど、何もあんな騒がなくたっていいんじゃない?と思いますよね。
あの高く間延びした鳴き声は、発情中のメスがオスを誘うサイン。
メスが鳴き声で自分をアピールすると、それを聞いたオスがメスの鳴き声を真似て鳴き、さらにメスがまた鳴き返すというやりとりが何度か繰り返されます。
傍から聞いているとなんのこっちゃですが、もしかしたら「お相手募集中ニャ」「ぼ、ぼくなんてどうニャ」「あニャた、ご飯はカリカリ派? 缶詰派?」なんてお見合いが繰り広げられているのかもしれません。
避妊や去勢をしても鳴き続ける
去勢や避妊は発情行為のストップに有効ですが、手術後でも変わらずに発情時の鳴き声を出す子がいます。
発情は一度経験するとクセになり、繁殖の意図がなくてもとりあえず体が反射してしまうためです。
しばらくするとおさまる子もいれば、おさまらない子もいます。
猫自身がストレスを感じていなければ問題はないので、そっと見守ってあげましょう。
最後に
「盛りのついたよう」なんてというと、異性ならだれでもかまわない印象を受けます。
でも、盛りのついた猫はオスならだれでもいいわけではありません。
メスはあの鳴き声でオスを誘惑しておきながら、いざとなったら「やっぱり好みじゃニャイわ、さよなら」とあっさり拒絶することも多いんです。 そんな場面に出くわした日には、自分から誘惑しておいてなんとムゴい……とついオスに同情しちゃいそうですよね。
猫特有の気まぐれな性格は、恋の季節にも大いに発揮されるようです。
オス猫の諸君にはくじけず頑張っていただきましょう!